多汗症は治療で改善できる【コンプレックス解消への扉】

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汗の悩みを改善する

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心ではなく身体の問題

俗に「手に汗握る」などという言い回しもあるように、人は不安や緊張に直面すると汗をかきやすくなります。しかし中には、心が完全にリラックスしている状態なのに突然発汗が始まり、それが治まらないという体質の人が存在します。このような症状を多汗症と言います。以前は、多汗症は緊張しやすい人に出る症状、つまり発症は心の問題だという考え方が支配的でしたが、現在では純粋に身体的な失調によるものと考えられています。具体的には、発汗をつかさどる交感神経が普通の人より敏感過ぎるゆえに起こる現象だと考えられています。ただしなぜ普通の人より敏感過ぎるケースが生じるのかについてははっきりしておらず、遺伝説やホルモン異常説などさまざまな推定がなされています。ともあれ、身体的変調である以上多汗症は薬や外科手術などによって改善することが可能です。一部の治療には保険の適用も受けられます。また、心理療法も一定の効果が認められるとして人気があります。先に多汗症は心の問題ではないと述べましたが、不安や緊張が発汗のきっかけになることは間違いありませんし、汗が止まらないことを「みっともない」と感じて精神的に追い詰められてしまうケースもあるからです。そのような場合はまず気持ちの平静を取り戻すことが治療にも好影響を与えます。

改善方法はさまざま

多汗症は全身のほぼどこにでも発生する可能性がありますが、実際の発症例はてのひらや足の裏、腋などに集中しています。そのため治療法もこれらの部位を想定して実施されるものが中心になっています。多汗症の治療法として非常に古くから行われているものとしては、塩化アルミニウム剤の使用があります。これはその名のとおり塩化アルミニウムを水に溶かした液体で、肌に直接塗りこむことで汗腺をふさぐ作用があります。原因を根本から解消するものではないので効果を持続させるためにずっと使い続けなければなりませんが、最も手軽な方法の1つです。一方、比較的最近になって普及が進んでいるのが、イオントフォレーシスと呼ばれる治療です。これは発汗する部位を水に浸し、そこに弱い電流を流すことで汗孔をつぶすというものです。塩化アルミニウムの場合と同様治療期間は長期にわたりますが、改善効果は非常に高いと言われています。より直接的な方法としては、交感神経の働きを麻酔でブロックしたり、完全に切断したりする外科療法があります。いずれも劇的に症状が改善しますが、背中や胸など別の場所の発汗量が増える代償性発汗という現象が見られることがあります。専門医とよく相談し、最善の治療法を選択することが悩みの解決につながります。

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